《キリストの受難展》 ポスター 1954年

画家と版画 拡がるイメージ

会期:2015年10月24日(土)-2016年1月12日(火)

ベルナール・ビュフェの作品は、ジャズ喫茶で展示されたり、マッチ箱やレコードジャケットなどの印刷物に使用されたりと、1960年代に日本でも人々の生活に寄り添う身近な芸術として親しまれていました。ビュフェの作品が、このように広く知られるようになった背景の一つとして、ビュフェが版画作品の制作に取り組んだことがあげられます。描いた一点のみが作品である油彩画と異なり、版画は一つのイメージを複数点つくり出すことができるという特徴があります。油彩作品だけでなく、すぐれた版画作品をも制作した画家をフランスでは “パントル・グラヴール”と呼びますが、ビュフェはまさしくパントル・グラヴールとして、ドライポイントやリトグラフという技法の版画作品を生涯にわたり制作しました。そして、ポスター芸術や、文学作品とのコラボレーションによる挿画本の制作など、画家として表現の幅を拡げていったのです。本展では、版画作品の他にも、挿画本やポスター、ドライポイントの銅原版などを展示し、ビュフェの版画作品の魅力とイメージの拡がりをご紹介いたします。

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クートラス
《無題》グアッシュ 1979 
撮影/片村文人

ロベール・クートラス 僕は小さな黄金の手を探す

会期:2016年3月12日(土)-2016年8月30日(火)

フランス、パリ生まれの画家、ロベール・クートラス(1930-1985)。当時「現代のユトリロ」、「第二のベルナール・ビュフェ」として売り出されたこの作家は、流行に左右される美術界での活動に苦しみ、画廊を離れ困窮の中で制作することを選びます。生涯かけて画家が描いたのは、小さな紙片を独自の神話のイメージや抽象的な模様で彩ったカルト、人間と動物の間のような生物が佇む静謐なグアッシュといった、一見ユーモラスな中に静かな悲しみを湛えた作品でした。画家を捉えていたのは華やかな美術界の流行よりもむしろ、石工として働いた青年時代に育まれた中世の職人世界への憧憬、パリの街角に暮らす人々や動物たちの生活、古きフランス人の精神が宿る民衆芸術のイメージといった、長い時間が醸成したものだったのです。 2015年に没後30年を迎え、フランス・日本で続く回顧展により再評価の流れにあるクートラス作品。本展ではこの流れを受けながらも、リヨン美術学校時代の初期油彩からカルト、グアッシュ、最晩年のデッサンまで、未公開のものも含む多彩な作品を構成することで、深い部分で私たちをとらえ続けるクートラスの創造世界をより多角的な切り口からご覧いただきます。