ベルナール・ビュフェ再考
代表作から見るビュフェの半世紀

会期: 後期:2018年1月18日(木)~2019年4月9日 主催: ベルナール・ビュフェ美術館
  • 蝶 1963

  • ドン・キホーテ、鳥と洞穴 1988

  • アトリエ 1947

本展は2019年4月9日で会期終了いたしました。
その後の展示替え期間中の展示状況についてはこちらから。

画面を削るような鋭い線と抑制された色づかい、そして虚飾を廃し、戦後の人々の不安を体現するような独自の人物描写は、20歳で画壇にデビューしたベルナール・ビュフェを一躍パリの有名画家にしました。
本展は、ビュフェが毎年開催していた「テーマ展」に焦点をあて、その画業を概観するものです。1952年以降、ビュフェは毎年個展のために「受難」や「サーカス」といったテーマを設定して描き、自らの表現を拡張していきました。ビュフェが取り組んだテーマを追うことは、あまりにも早く確立され大きな賞賛を浴びた「ビュフェ・スタイル」と画家自身との戦いの歴史をたどることでもあるのです。
また、ビュフェ作品は日本でも広く反響を呼びました。本展では1981年のテーマにもなった「日本」シリーズや、当時ビュフェ作品の紹介に主要な役割を果たした当時の展覧会資料を紹介し、「日本とビュフェ」の密接な関係も明らかにします。
その多大な影響力にもかかわらず、没後20年を前にようやく大規模な回顧展がパリで開催され、相次いで重要な研究書が刊行されるなど、今まさに再評価の流れにあるビュフェ。その半世紀にわたる「テーマ」への取り組みを、当館の所蔵する代表作100点以上から再考します。

  • ビュフェの「テーマ展」に注目し、画家の半世紀の制作を見る

    ビュフェは、契約していた画廊で毎年2月に個展を開催していました。毎年テーマを決めて1年間制作した作品を展示する、というこの形式は、1952年から開始され、ビュフェが没する1999年まで48年間、休みなく続けられました。このテーマ展を追うことは、ビュフェの半世紀にわたる表現の変遷をたどることでもあります。本展ではテーマ展のなかから約20を取り上げてご紹介します。

  • テーマ展とともに発展した表現を見る

    ビュフェは、テーマ展のために描いたモチーフやタッチを、舞台芸術や書籍の挿画にも応用しています。本展では、テーマ展で発表された代表作とあわせ、ビュフェが携わった挿画本や舞台美術に関する版画なども紹介。なかには数年にわたったものもある、ビュフェのテーマの探究をご覧下さい。

  • (後期)パリの回顧展に出品の重要作品を見る

    これまでビュフェの作品は、フランス国外における商業上の成功ばかりが取り沙汰され、生地であるパリにおいてさえ、美術史上の再評価が試みられたことはほとんどありませんでした。しかし没後20年になってようやく、 2016年秋から2017年春にかけて、パリの市立近代美術館とモンマルトル美術館でビュフェの大規模な回顧展が開催されました。ビュフェの作品はいま再評価の流れにあります。当館からも、この2つの回顧展に14点の重要作品を出品しました。会期後期には一部展示を入れ替え、帰国した作品から《ナンス》、《アトリエ》といった代表作をご紹介します。

  • 「日本とビュフェ」を見る

    ビュフェの作品と当時のパリでの評判は、パリに留学した人々や美術批評家らによってほぼリアルタイムで日本に伝えられていました。1950年代末には、神奈川県立近代美術館や国立近代美術館でも展覧会が行われ、日本のビュフェ・ブームは他国よりも大きく広がりました。本展では、日本でのこのビュフェ受容の様子をしめす当時の資料と、ビュフェが来日時に取材して描き、1981年のテーマ展となった「日本」シリーズをご紹介します。

    富士山と汽車 1981

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